短刀 銘 来国光(名物有楽来国光)
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 460
- 種別: 工芸品
- 国: 日本
- 時代: 鎌倉時代
- 指定年月日: 1955年02月02日
- 都道府県: 愛知県
- 所在地: 愛知県
- 所有者名: 東建コーポレーション株式会社
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
本刀は、鎌倉時代末期に山城国(現在の京都府)で活躍した名工、来国光(らいくにみつ)の手による短刀です。織田信長の弟であり、茶人として名高い織田有楽斎(長益)が所持していたことから「有楽来国光(うらくらいくにみつ)」の異名を持ち、徳川将軍家が編纂させた『享保名物帳』にも記載されている名物中の名物です。現在は、愛知県の東建コーポレーション株式会社が所蔵しています。
歴史的背景
来国光は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて山城伝の主流を担った「来派」を代表する刀工です。来国俊の子(または弟子)と伝えられ、その作風は伝統的な山城伝の優雅さに加え、相州伝の力強さを取り入れた革新的なものでした。 この短刀は、大坂冬の陣の和議の際、豊臣秀頼から織田有楽斎へと贈られたという伝来を持っています。有楽斎の没後はその孫である長種へ伝わり、さらにその後、加賀藩主の前田家に献上され、同家を代表する家宝として長く伝来しました。戦国から江戸、そして現代へと受け継がれてきた、歴史の激動を見つめてきた一振りです。
特徴と魅力
「有楽来国光」は、来国光の短刀の中でも最高傑作の一つに数えられ、以下の点において極めて高い美術的・歴史的価値を有しています。
- 気品ある姿: 形状は平造(ひらづくり)で、棟の形が三つの面で構成される「三ヶ棟(みつむね)」となっており、僅かに内反りがついた鎌倉時代末期の典型的な気品ある姿をしています。
- 卓越した地鉄: 来派特有の緻密な「梨子地肌(なしじはだ)」のように潤いのある精良な地鉄が特徴で、地沸(じにえ)が細かく厚くついた美しい鍛えを見せています。
- 華やかな刃文: 直刃(すぐは)を基調としながらも、来国光らしい小乱れや足、葉(よう)が入り、非常に品格のある明るく冴えた刃筋を見せています。
- 完璧な保存状態: 数百年の時を経てもなお、制作当時の姿を色濃く残しており、地刃ともに極めて健全な状態を保っています。
- 由緒正しき伝来: 豊臣秀頼、織田有楽斎、そして加賀前田家といった歴史上の重要人物や名家に愛蔵されたという背景が、その美術的価値をさらに高めています。