播磨国風土記
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 765
- 種別: 書跡・典籍
- 国: 日本
- 時代: 平安
- 指定年月日: 1965年05月29日
- 都道府県: 奈良県
- 所在地: 天理大学附属天理図書館 奈良県天理市杣之内町1050
- 所有者名: 学校法人天理大学
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
『播磨国風土記』(はりまのくにふどき)は、奈良時代初期の和銅6年(713年)に出された風土記編纂の官命に基づき、播磨国(現在の兵庫県)の地理、地名の由来、伝承、産物などを記録した書物です。現存する5つの風土記(常陸、出雲、播磨、豊後、肥前)の一つであり、当時の地方の実情を伝える一級の史料です。国宝に指定されている本品は、平安時代末期に書写された現存唯一の古写本であり、天理大学附属天理図書館に所蔵されています。
歴史的背景
律令国家の形成期において、中央政府は地方の実態を把握するために各国に風土記の編纂を命じました。播磨国風土記は、霊亀元年(715年)頃に成立したと推定されています。原本は早くに失われましたが、本写本は三条西家に伝来した平安時代の書写本(三条西家本)であり、冒頭の赤石郡と賀古郡の一部を欠くものの、平安時代の書風を伝える貴重な文化財です。幕末の文久3年(1863年)に国学者の松岡辰方によって再発見され、以後、古代史・国文学研究において欠かせない文献となりました。
特徴と魅力
『播磨国風土記』は、他の風土記と比べても説話が非常に豊富で、古代日本の生き生きとした姿を現代に伝えています。
- 豊かな神話と伝説: 『古事記』や『日本書紀』の記述とは異なる、アメノヒボコ(天日槍)とアシハラノシキオ(葦原志許乎命/大国主神)による激しい土地争いの伝承など、独自の地方神話が数多く収録されています。
- 詳細な地名由来: 多くの地名が、神々の行動や当時の人々の生活に基づいた具体的なエピソードとともに紹介されており、民俗学的な価値が極めて高いです。
- 土壌の評価: 各地の土壌の肥沃度を「上上」から「下下」まで九等級に分けて評価しており、当時の農業の状況や生産力を知るための重要な経済史料でもあります。
- 平安時代の書風: 国宝本は平安時代末期の端正な楷書で書かれており、書道史の上でも重要な地位を占めています。