古今和歌集巻第十二残巻(本阿弥切本)
基本情報
- 台帳ID: 201
- 管理対象ID: 766
- 種別: 書跡・典籍
- 国: 日本
- 時代: 平安時代
- 指定年月日: 1967年06月15日
- 都道府県: 京都府
- 所在地: 京都府京都市東山区茶屋町527(京都国立博物館)
- 所有者名: 独立行政法人国立文化財機構
出典: 国指定文化財等データベースより一部抜粋
概要
「古今和歌集巻第十二残巻(本阿弥切本)」は、日本最古の勅撰和歌集である『古今和歌集』の写本の一部です。平安時代のかな書道の極致を示す名品として知られ、現在は「恋歌二」の一部を伝える断簡として、京都国立博物館に所蔵されています。
歴史的背景
本作は平安時代(11世紀末から12世紀初頭)に制作されました。名称の「本阿弥切(ほんあみぎれ)」は、江戸時代の著名な芸術家・鑑定家である本阿弥光悦の家系に伝来したことに由来します。もともとは巻物形式の写本でしたが、後代の愛好家たちの要望により切断され、鑑賞用の「断簡」として珍重されるようになりました。古くは小野道風の筆と伝承されてきましたが、現代では11世紀後半から12世紀初頭の能書家によるものと考えられています。
特徴と魅力
平安朝の美の精華を凝縮した本作には、以下のような美術的・歴史的特徴があります。
- 流麗な和様書道: 平安時代中期の「和様書道」完成期を象徴する筆致で、重厚さと軽やかさを兼ね備えています。文字を繋げて書く「連綿」や、墨の「にじみ」と「かすれ」の対比が絶妙な調和を生んでいます。
- 豪華な装飾料紙: 中国の唐紙、あるいはそれを模した和製の装飾紙が用いられています。表面には雲母(きら)で雲文や唐草文が刷り込まれており、光の角度によって文様が淡く浮かび上がる幻想的な美しさを持っています。
- 貴族文化の美意識: 繊細な仮名書と豪華な料紙の組み合わせは、当時の貴族文化の高度な美意識を色濃く反映しており、日本の書道史上、最も重要な作品の一つとして高く評価されています。